55歳で突然の ”希望退職” 募集!! 辞めるまでにやっておくべきこととは?

退職 ライフ
希望退職

2020年は全世界を巻き込んだ「コロナウイルス」の大流行により東京オリンピックはながれ、営業時間の短縮や人の移動の規制により経済が大打撃を受けた年として今後、長く歴史に残る年となるでしょう。

私は生活雑貨やアパレルを扱う卸商社で31年間働いていました。会社の財務状況自体は高度経済成長期からバブル期までの急成長期の莫大なたくわえがあったため、無借金経営でその安定性は定評がありました。

しかしバブル崩壊後、1990年代後半から売上高は徐々に下降し始め、2008年のリーマンショック後からは下降が加速度的に大きくなっていきました。

特に私が従事していたアパレル部門は構造的な不況に見舞われていました。その後の東日本大震災を経て青息吐息の状態であったところにこの「コロナパンデミック」。

主要顧客であった全国の小売・専門店、アミューズメントパーク、リゾートホテルが休業などにより稼働しなくなってしまったので売上は激減しました。

そしてとうとう「その日」が来ました。

突然退職を余儀なくされたときにまずはどうすればよいのでしょうか? 
私は55歳で希望退職に応募して退職しました。この記事はその体験記となっています。同じ境遇の方や同世代の方のご参考になればうれしいです。

突然の希望退職 募集が発表された!!

減益

2020年10月12日 月曜日の朝、いつものように会社のPCを立ち上げイントラ画面を開いたとき、「希望退職募集のお知らせ」が目に留まりました。同じく出社してきた同僚の席からも「あっ!」とか「えーっ!」の声。

内容としては全社員のうち35歳以上の正社員とパート・アルバイト職全員を対象に、290名定員で希望退職を募集するとのことでした。退職金に年齢に応じての加算金を支払い、再就職支援会社のサポートもつけるというよく耳にする希望退職のパターンです。

回答期限は約一か月、応募すれば12月31日付けで退職になるとのことでした。

その日のうちに数グループに分かれて役員から説明がありました。要約すると「会社の財務状況を改善するには人件費の削減しかなく、加算金のだせる余裕のあるうちに辞めたほうがいい。この先もっとひどくなったら解雇に近い状態になる」みたいな感じでした。

その後は直属の上司から個別に同様のことを言われます。当然な話ですが、「希望」と言いながら「リストラ」なんですよね。

少し前から経営陣がコンサルを入れて何やら怪しかったのですが、コンサルはたいてい大ナタを振るってコストカットをすることで成果をアピールするものです。

希望退職募集、50代なら会社にしがみつくべきですが・・・

リストラ

290人目標というと全社員の約半分という大きな人員削減です。結果は290人を大きく上回る312名の正社員が希望退職に応募しました。もちろん私もです。

これはコロナの影響関係なしに、かなり会社の状態が弱っていたことと経営陣が現場を知らず好き嫌いで人事を決定するなど、多くの社員に不信感があったためです。

本当なら50代であればどんなに給与を削減されても、屈辱的な人事異動にあっても甘んじて受け入れて会社にしがみつくのが正解だと思います。

よほどのスキルやマネジメント能力を持っていない限り再就職活動は厳しいし、再就職しても給与は半減なんていうのはザラだからです。

ただ希望退職を勧告されてもしがみつくというのは、けっこう大変なことだと思います。何回も呼び出されて
「君の居場所はない」
「このままだともっと不利な条件で辞めることになる」 などとプレッシャーをかけ続けられます。

「不当な措置だ!」と戦うのも手ですが、会社も顧問弁護士やコンサルと相談して手抜かりのないように対策を考えています。個人が企業と戦うには凄まじい執念と不屈の闘志とタフなハートを持っていないと難しいでしょう。

私の会社の場合は上述した理由から、残っていても泥船だということが分かっていたので、多くの40代、50代社員が応募の選択をしたわけです。

沈むとわかってる船に残るより、荒波で死ぬかもしれないけど生き残る可能性のあるゴムボートのほうを選ぶという心境でした。

50代、退職が決まったらまずやること

ターニングポイント

退職するとなると色々やることが増えてきますが、まず在職中にやっておいたほうがよいこと、あるいはやっておいたほうがよかったと思うことには次のようなものがあります。

  • ハローワーク求人登録
  • 人材エージェントなどへの登録(リクナビネクスト、doda、マイナビなど)と応募で就活開始
  • ネットビジネスなど副業や、自分の得意分野を生かせる道を模索
  • 持病の治療や人間ドック受診など、身体のオーバーホールをする

再就職支援会社を過信してはいけません

希望退職の場合、再就職支援会社と称する会社を雇用側が手配していて再就職活動を支援してくれる。というケースが多いです。淡路島に本社を移したことで話題になったP社などが有名です。

そもそも希望退職などの人員削減はこのような再就職支援会社が裏で絡んでいるわけで、人員削減の施策とセットで再就職支援のメニューを売り込んでるわけです。

退職者の再就職支援会社利用は、通常退職してからのサポートとなっている場合が多いです。これは在職中に社員が勝手に就職活動を始めて仕事を休んだり、いい加減になってしまうのを避けたい雇用側のニーズからです。

「退職したら再就職支援会社がついていているんだから、辞めるまでは安心して仕事してよ」ってことですね。

もちろんそんなことを過信してはいけません。再就職支援といってもやっていることは、転職エージェントと同じです。待っている時間がもったいないです。

現職のまま就職活層をするほうが、退職してからよりも有利になるといわれています。すぐにハローワークや転職サイトに登録して活動を始めることが重要です。私は結局現職中の転職はできませんでしたけれど(笑)

再就職支援会社にはこのような裏があるのでネット上では怨嗟の声や酷評を見かけますが、私はそうは思いません。確かに便利に利用できる面や相談できる場もあるので、退職後は大いに利用するべきだと思います。

ただ過信しすぎると、
「ちっとも使えないじゃないか!」
「全然あてにならない・・」
などの不満を持つ人が出てくると思います。あくまでもハローワークなどと同じ位置づけで利用すればよいと思います。

退職まではお人よしにならないで再就職活動に励もう

とにかく自分の再就職を最優先で考えましょう。その日は人が足りないからとか、お人よしになる必要はありません。面接などが休めない日に入ったとしても仮病でもいいので休んで面接に行くべきです。

ハローワークにはまず最初に求人登録をしてしまいます。退職して改めて失業給付を受けるときに手続きをしますが、先に求人登録をしておくと手続きを簡単に済ませることができます。

リクナビネクストやdodaなどの転職サイトの登録と応募は必須です。添付する履歴書、職務経歴書などは必ず完璧に記入しましょう。書き方のテンプレートとかもあるのでそれを参考に書くと書きやすいです。

気になったところにはどんどん応募をかけましょう。
50代だと、当初思っていた条件で探すとおそらく書類選考時点で95%以上は切られると思います。無条件で面接に行けるのは
・タクシー運転手
・警備員
・フランチャイズオーナー募集
くらいです。

多くの人が当初より条件を下げていくことになるでしょう。それでも面接にこぎつけるのは大変です。

毎日ごっそり戻ってくる「選考見送り」の返信、正直へこみます。でもこれが50代就活の現実なんですよね。

条件を再考したりしてあきらめないことが大切です。終わったことは終わりにして切り替えて次を見てがんばりましょう。

他の収入源確保の手段を考えよう

50代で再就職した場合、収入の半減は覚悟しなければなりません。そうなってくると副業などで補填する必要があります。

何か得意分野があればその道で収入を得る方法があるか考えましょう。最近は通常のアルバイトでダブルワークするのではなく、ネットビジネスも人気です。

ブログでアフィリエイト、webライターなど、元手をかけないで始められることも多いです。もっとも、じゃあやってみようといってすぐに収入が入ってくるわけではありません。

だた興味をもったり、自分に向いているのではと思う人だったら、空き時間を利用してブログを開設したりクラウドソーシングサイトで仕事をしてみるのもよいかもしれません。

私は趣味でブログをやっていたので収益化できないかを考え現在も勉強中です。webライターも初めました。

まだまだ微々たる収入しかありませんが、一度身に着けたスキルは一生ものなのとPCさえあればいいので老後もボケなければずっと続けられるのもメリットです。

ノウハウに関しても決して高額な授業料を払ってスクールに行く必要はありません。現在はブログやyoutubeで色々な方がノウハウや注意点などを説明されているので、これを使わない手はないでしょう。

身体のオーバーホールをしてしまおう

健診

40代、50代となれば長年の無理や不摂生などが原因で身体のあちらこちらにガタがきていたり、持病を持っていたりするものです。

今までは仕事の忙しさや家族サービスにかまけてなかなか自分の身体のケアに目が行き届かなかったかと思います。この際、退職までの時間で身体をオーバーホールして健康面のリスクを排除してしまいましょう。

再就職活動やその後の生活が始まると、もうそんな余裕はなくなってしまします。これから老齢になってくる前の段階でいったん身体をケアして健康を万全にする機会はこんな時しかありません。

健康リスクを排除してしまえば再就職活動も思う存分できますね。

災いを転じて福としましょう!

私は6年間胆石を患っていました。服薬治療をしていましたが手術じゃないと完治しないとのこと。手術はどうも腰が重かったのですが、希望退職を機に手術を受けて完治しました。

胆石手術体験記はこちら ↓
胆石に悩んでる人は服薬より手術がオススメ!! 痛みは少なく、回復も早い

それから歯医者に行って歯のオーバーホールをしました。ぱっと見ただけでは口腔状態に特に異常はなかったのですが、見てもらうとあちこちに要治療の箇所がありました。外見は治療済だけど中が虫歯になっている歯も見つけてもらい再治療しました。

サラリーマンの場合、退職してしまうと企業健保や協会健保から国民健康保険に変更しなくてはいけません(条件によって継続加入もあり)

どうせ受診治療するなら現状の健康保険で受けてしまったほうが楽なのと、大きい手術や高額な医療費がかかる場合、企業健保や協会健保は法定の高額医療費給付に加えて、さらに付加給付の制度がある場合があります。

退職後の健康保険に関してはこちら ↓
希望退職後の健康保険は任意継続or国民健康保険 どちらがお得なのか?

この付加給付は国民健康保険にはないので、手術など高額な医療費がかかる場合は在職中に済ませておくことを強くオススメします。

私の受けた胆石手術は25~30万ぐらいですが高額医療限度額申請を出しておいたので差額ベット分を入れても自己負担10万くらい、さらに健保の追加給付で6万ほど戻ってきたので実質負担4万くらいでした。

退職までの期間は貴重 無駄にしないで有効に使おう

2021年2月現在、私はまだ求職中です。内定をいただいた会社はありましたが、思うところがあって辞退しました。

もっと在職中にやれたことがあったなと今、思うことがあります。お人よしになるなと記事に書きましたが、実際は「なっていた」部分がけっこうあるんですよね。

再就職支援会社をあてにしないでもっと貪欲に就活をすればよかったかなとも思います。そんな反省の意味も込めてこの記事を書いています。

ただ健康面のリスクを万全にできたのはよかったと思います。

まだ退職まで時間のある方はその貴重な時間をぜひ有効に使って下さい!

コロナ禍で思いがけないことになってしまった人がたくさんいると思います。特に自分と同じ昭和40年世代の人は厳しい現実に直面していることと思います。

自分はまだ希望退職ということで少ないとはいえ退職金や加算金が出たのでよい方です。

ただどちらにしてもまだまだ人生は長いです。このまま終わりたくありませんよね。自分を含め昭和40年世代がこれからも活躍できますように・・・。 がんばりましょう!!

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