ガラポンの特賞ってホントに当たるの?

昭和 懐古

商店街の年末大売出しや、ショッピングビルのサマーセールの時におなじみ、福引きのガラポン。
実は大正時代に考案されて、その原理は変わらず現在もなお使用されています。正式名称は考案者の名をとって、「新井式回転抽選器」と、いいます。こんなに長い歴史を持つ、アナログな抽選器がなぜ今だに現役で使用されているのでしょうか?

ガラポンはレトロだけど今なお最強!

私は大学時代に、東京のあるターミナル駅のショッピングビルでバイトをしていて、歳末セール時と、夏のセール時に、このガラポンのバイトをしていました。
あるとき、バイト先の支配人が「新しい抽選器を導入する。ガラポンなんて時代遅れだからな」と言って、電気式のルーレットのような機器を設置しました。あまりよく覚えてませんが、画面に赤玉が出て「残念」とか、白玉が出て「特賞!!」みたいな機械だったと思うのですが・・・

で、新機種導入の結果・・・

クレームの嵐でした!!

「いつも楽しみなのに、なんでこんなのにしたんだ!」
「結果をコントロールしてるんじゃない? 嘘くさいわ!」
「やった気がしない! 損した気分・・」

などなど、、散々な言われよう。

ハイテク抽選器はすぐにおはらい箱となりました・・・

ガラポンは実際に玉を仕込んだりと色々準備が大変なので、軽くて準備がしやすく、当時としてはハイテク感(?)のある機械を導入したのですが、やはり人間は実際に抽選器に入っている玉を実感しながら、ガラガラと抽選器を回すことに「ワクワク」を感じるんですよね。
そんなわけで、ガラポンは未だに抽選に使用されているんです。

ガラポンには本当に特賞、入ってるの?

「ねぇ、ねぇ、何回やっても残念賞のティッシュばかりじゃない! ほんとに特賞とか入ってんの!」
これ、ガラポンのバイトやってる時によく言われました・・・。

必ず「いや、入ってますよ」と答えていましたが、実際に私がバイトしていたターミナル駅のショッピングビルでの場合ですが、その問いの本音の答えとしては・・・

各賞は期間中に公表してる本数は必ず用意してありますが、特賞や1等は「入っていない日」もあります・・

です。例えばそのターミナル駅では、一か月間の歳末セールorサマーセールの期間がありました。しかし、当時の特賞「ハワイ旅行ペア券」は20本。単純計算でも1日1本は出ない計算です。

ガラポンの玉って、いつ入れ替えるかというと、毎朝、その日のセット組した玉を入れ替えるんです。商店街の小さい抽選器だと、玉が300個ぐらいですが、ターミナル駅のショッピングビルで、お客様も半端なかったので、大きい抽選器で2500個くらい入ったと思います。

で、基本の一回分のセットはあらかじめ決めた当選確率に基づいて何セットも作っておくのです。数は正確ではありませんが、残念賞2000個、4等200個、3等50個、2等10個みたいな感じで。

では、1等、特賞はどうセットするのでしょうか?

ガラポンで特賞を引き当てるには・・

私がバイトしたショッピングビルでは、一等や特賞は出したいと思ったときに、仕込んで出していました。

「仕込む」といっても不正しているわけではありません。ただ、出すタイミングを見計らってるんです。
これは福引きの主催者にとって、わざわざ経費をかけて用意した1等や特賞が出て欲しいのはいつかを、考えるとわかります。

例えば、来店客が少なく、ガラポンの前にお客様が誰も並んでいない時に特賞が当たったとしましょう。そのお客様は大喜び!、、、、で、おしまいです。これではせっかく経費をかけて用意した賞が無駄になってしまいます。
宣伝効果もありません・・・。

逆に、ガラポンの前に抽選待ちのお客様が列を作っており、来店客が多く通路を歩く人が大勢いる時に、「出ましたぁ~!!  特賞~ ハワイ旅行ぉ~!!」とやれば、盛り上がるし、雑踏の人々も足を止めて、
「いいなー」とか、
「やっぱ当たるんだね・・・」
「補助券あと2枚で引けるから、何か買おうかな」

などと、思うので、宣伝効果、集客効果も絶大になります。

そんなわけで、平日の午前中とか、人が閑散としている時に、「あー、並んでないからいまのうちに抽選しよう」と思って、ガラポンを回しているとしたら、残念ですが、その中には1等とか特賞はまずないと考えたほうがよいと思います。

私がバイトしていたショッピングビルの歳末クリスマスセールを例にすると、12月25日のクリスマスを抽選最終日として、抽選開始が一か月前の11月25日~になります。前半の12月上旬から中旬までの平日は、来店客も少なく、お客様の抽選券もそんなにたまっていないので、抽選する人はまばら・・・ こんな時は1等、特賞は仕込みません。つまり、何度引いても、最高で2等しか引けないんです。

前半でもさすがに土日は人が多いので、1本くらい入れよう、となります。そして、クリスマス前の最終の1週間、ここは一年で一番来店客が多く、お客様も期間中にためた抽選券をもって、押し寄せます。前半の平日は1台のガラポンで抽選を行ってましたが、このあたりになると、4台~5台がフル稼働しても行列ができます。

そんな日は、1日に2本~3本の特賞を仕込んでいました。仕込むってどうするかというと、特賞や、1等の玉はあらかじめ、別にポケットに持っていて、出したいときに、お客様にわからないように、玉の出口から抽選器の中に押し込むんです。

時間帯はやはり買い物客がピークに達する夕方ごろが多かったです。このころになると抽選器内の玉も少なくなり、音でわかるのでそろそろ出たほうがいい、という頃合いを見計らって、玉を抽選器の中に押し込みます。
すると、中で混ざってしまうのですが、大体1~2時間後には、特賞、1等が出てました。

私がバイトしていた以外の場所でもだいたい、これと似た感じだと思います

したがって、ガラポンで特賞を当てたい人は、

  • 抽選期間の前半や平日は抽選しない
  • 土日など来店客が多い時に抽選する
  • 特に最終日に近い、最も抽選客が多い時間帯、盛り上がっている時間帯を狙う

ことを注意してみてくださいね。

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